インプラント⑨ トラブル
こんにちは✨
院長の長谷川です。
当院でメイン治療でもある、インプラント、歯周病に関してシリーズで分かりやすくお話いたします。
第9回目の今回はインプラント のトラブルです❗️
インプラントは安全性の高い治療法とはいえ、必ずしも100%安全だと言い切ることはできません。安全な治療の実現に必要な正しい治療・処置が行われなければ、インプラントの埋入後に何らかのトラブルが起こりやすくなるのです。ここでは【歯科医の問題】【患者さん側の問題】の両面からトラブルの原因について解説していきます。
インプラントのトラブルが起こる原因とは?
インプラントのトラブルにつながる主な原因
*ドリルの摩擦熱による骨のオーバーヒート【歯科医の問題】
専用のドリルで顎の骨にインプラントを埋入するための穴を開ける際、ドリルの操作や注水が不十分や不手際があると、ドリリングによって発生する摩擦熱によってオーバーヒートが起こりやすくなります。それによって骨が火傷を負ったような状態になり、骨組織がダメージを受け、インプラントと骨とうまく結合しなくなってしまいます。
*埋入位置や角度が不適【歯科医の問題】
インプラント治療の安全性は、レントゲン、CT、参考模型など検査結果をもとに立てた計画に従い治療を行うことで向上します。ところが、手術の際に計画通りの位置や角度にインプラントが埋入されないと、術後に噛み合わせが悪くなり、インプラントに本来とは違った負担がかかるほか、インプラント本体、土台(アバットメント)、かぶせ物が破折してしまうというトラブルが起こる可能性があります。
*下顎神経麻痺、上顎洞炎、上顎洞内にインプラント迷入 【歯科医の問題】【患者さん側の問題】
下の顎の奥歯の骨の中には、下歯槽神経(かしそうしんけい)と呼ばれる太い神経、血管の管が通っているのですが、この神経に埋入したインプラントが触れて、神経を圧迫したり、傷つけてしまうと、患側の口唇や皮膚が麻痺を起してしまいます。
上の顎の奥歯の骨の上に上顎洞と呼ばれる副鼻腔のひとつで骨の無い空間があります。骨が非常に薄いのでインプラントを埋入するときに誤ってインプラントが骨を突き抜けてしまうと、インプラントが上顎洞へ入り込んでしまい、手術をしないと取れません。また上顎洞粘膜を突き破ってしまうと炎症が起こり上顎洞炎(蓄膿症)が起きます。
*インプラント周囲【歯科医の問題】【患者さん側の問題】
歯の歯周組織が細菌に感染し歯周病を発症するように、インプラント周囲の組織が細菌に感染することで、歯肉の炎症やインプラントを支えている骨が細菌により破壊され吸収し、脱落してしまいます。
インプラント周囲炎は、口腔内環境が悪い状態(歯周病等)でインプラントの埋入を行った場合や埋入後の不十分なブラッシングが原因としてあげられます。
また喫煙、食生活も関係してます。
*喫煙による術後の治癒の阻害【患者さん側の問題】
タバコに含まれるニコチンの影響により血管が収縮することで、インプラント埋入部分に血液や酸素が十分に行き渡らなくなるほか、喫煙の際に発生する一酸化炭素によって酸素の運搬が妨げられると、術後の治癒不全につながります。そのため、最終的に骨の結合が妨げられる、インプラント周囲炎のリスクが高まる、といったことが起こりやすくなります。
*外部からの強い刺激 【歯科医の問題】【患者さん側の問題】
インプラントの埋入後、待機中に埋入部分に力が加わると骨との結合の妨げとなります。特に、硬い食べ物や過度な歯磨きは、インプラントが骨と結合するまでの約2~4か月は避ける必要があります。
またかぶせ物装着後に歯ぎしりや食いしばり、舌先で押したり触れたりする等の悪習癖については、治療前に歯科医師に相談し、術後の対策を検討する必要があります。
トラブルは回避できることが1番ですが、人間がすることなので100%はありません。
しかし事前の準備、術後のケアがカギとなります。
クリニックでは術前、術後と必ずカンファレンスを行い、全員が共有し細心の注意をしております。